共同住宅に係る防犯上の留意事項

警察庁では、犯罪の増加を踏まえて、国土交通省と共同研究委員会を設置、犯罪防止に配慮した構造・設備を持つ共同住宅のあり方を策定し公表しています。

これによって、全国の警察において、各自治体の関係部署・業界団体と連携しこの指針に沿った犯罪防止に配慮した共同住宅の普及を促進することにしています。
また、共同研究にあたった国土交通省も、留意事項を踏まえた共同住宅の企画・計画・設計を行うための具体的な手法の指針「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」を策定、全国の建築・住宅主務部局宛に通知しています。

「共同住宅に係る防犯上の留意事項」を見ると、共用出入口については、周囲からの見通しの確保及びオートロックシステムの設置等が謳われ、更に、エレベーターホールについては、共用出入口からの見通しの確保、人の顔や行動を明確に識別出来る程度以上の照度確保、同様に共用廊下・階段についても照度の確保といった共用部分で留意すべき事が示されています。

また、専用部分に関しても、玄関ドアについては破壊が困難な材質であること、こじ開け防止への対策、窓開口部分についても、共用廊下に面する住宅の窓、接地階にある住宅のバルコニーに面するもの以外の窓への面格子の設置を薦めるとともに、破壊困難な窓ガラスの材質についても言及しています。

更に、国土交通省による「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」は、これらの留意事項を具体的に示した指針になっており、新築された共同住宅、改修される既存共同住宅を対象としている。

尚、この指針は参考として出されたもので、事業者や所有者に義務等を負わせるものではありません。
しかし、民間のマンション等では、こうした行政機関の動きを見ながら、防犯対策が、住宅のバリアフリー仕様に続く消費者ニーズになった現状を捉え、設計に組み込む動きを強めています。物件によって、その対策レベルは様々ですが、着実に広まっています。

最近、この「設計指針」に挙げられた各項目の背景・理由を理解せずに、過剰に設備を装備した住宅が見受けられます。

そのため、企画・計画・設計の各段階での検討は不可欠だと考えられます。
防犯の要は、設備設置以降の維持管理・運用です。 ハードに対し、ソフトが欠落した住宅は無防備と同様であることを念頭に置き、対策を練る事が重要であると私達は考えます。

また、防犯対策を行った新築のマンション・戸建住宅に対し、住宅金融公庫の融資額を加算する動きがある事も注目する必要性があります。(2003年10月〜東京都が開始し、都住宅局による基準を満たしたものが対象となっています。)

ページトップへ戻る